時計台通り本店に関しまして


まずは何を話したらいいのか…と思っています。

この度は、時計台通り本店が一時閉店という急なご報告となってしまい大変申し訳ありませんでした。

約20年間本店として構えてきました。
自ら、1から設計し、思い入れのあるお店です。そんな本店を息子、娘に任せ東京進出をした6年前がとても早い様に感じます。

思えば、「琴似」開店時から夫、佑吉とこの東京で、自分達の味がどこまで通用するか試したいと口癖の様に東京進出を夢見ていました。
夫が亡くなってからの日々は心にぽっかり穴が空いて何も手に付かずの毎日を過ごしておりました。
そんな中、孫が誕生し、悲しみから楽しみに変わった事は今でも鮮明に覚えています。

それから2人の夢を思い出し、東京進出を69歳と9ヶ月で果たす事が出来ました。
それが今の「ときわ台店」です。

琴似でやっていた街並みにとても似ていて、強く言ってしまえば、この辺鄙な場所で並べば本物の味だと自信になる気がして、即、決断致しました。
今でも沢山のお客様に愛される一軒のお店として店主ながら、嬉しさが深く身に沁みています。
そんな中、このコロナ禍を乗り越える為に、早い年代ながらも3代目に「新宿御苑店」を任せる事を決意し、家族一丸となって頑張って参りました。

それから約2年
本店があっての東京店があると、移転する事は何も考えておりませんでした。
突然の出来事を受け入れられず、中々心の整理が付きませんでした。

私は元気のある限り厨房に立ち続ける事が本望です。私が創ったお店です。
こうなってしまった原因は私にあり、悩んでいても仕方が無いと、76歳ながらに持っているこの意地と根性でこの悔しさをバネに今は自分達に出来る事をと思っています。

私の夢はまだまだ終わりません。

2代目、3代目も居ますので、家族一丸となって頑張ります。
どんな形になっても、「桑名」を暖かい目で見守っていただけたら幸いです。